マインドフルネスとは…?

 マインドフルネスは、本来仏教など、東洋思想に古くから根ざしている考え方です。しかし近年、特に1990年代以降、トラウマの回復であったり、うつの治療など、広く心理学の世界にも応用されるようになってきています。

 

 マインドフルネスとは、「いま、この瞬間」の身体感覚(温度、緊張など)や、身体状態(眠い、空腹など)、感情(悲しい、楽しいなど)、イメージや思考などが、常に自分の意識の中に入ってきたり、出ていったりしているということに、自分自身で気づくことに焦点をあてることです。つまり、「いま起きていること」に意識を向け、評価することなく、そのまま受け止めていくことを言います。

 

 私たちは小さい時から、“いい”とか“悪い”という、評価基準にさらされ、いつもそれに振り回されながら生きてきました。それは、とてもストレスの大きいことです。

 また、過去の出来事を思い出し、「あの時~すればこうはならなかったのに。」とか、「あの人が~するから。」などとクヨクヨ考えたり、未来のまだ起きてもいないことを「~だったらどうしよう。」「きっと~になるに違いない。」などと想像し、どんどん不安になっていったりします。

 実は、こういった思考の氾濫がうつ的傾向など、心身の不調を引き起こしてしまうことも多いのです。

 

 マインドフルネスな状態とは、例えば、“怒り”があったとしても、「怒りを持つことはよくないことだ。早く無くさなければ…。」などと自分の感情を評価したりせずに、「あぁ、怒りがあるな。」とそのまま受けとめていくということです。また、たくさんの思考に頭を占領され、あれこれ思いめぐらすのではなく、まずはそういう状態になっている自分に、気づき、それを手放していくということなのです。

 

 過去でも未来でもない、「いま、ここ」に生きる自分に焦点をあて、それを眺めていく…それだけで自然に心は落ち着き、静かになっていきます。

 

 セッションの中では必要に応じて、呼吸への気づきなどを使って、マインドフルネスの状態になるための練習をしていきます。